作家、イラストレーター、アーティストとして多分野で活躍するD[di:](ディー)が、約2年ぶりとなる個展「Harmony / my melody , your melody(ハーモニー / 私とあなたのための旋律)」を8月21日(木)~9月7日(日)までのの18日間、<hpgrp GALLERY TOKYO>にて開催いたします。
今回は、“ハーモニー”をテーマに、D[di:]が2年間あたため創作に至った多数の作品が発表されます。2メートル大の草花をモチーフとした大作や、映像作家である山口崇司氏との共作で映像のインスタレーション作品も展示される予定です。
皆様のお越しをお待ち申し上げております。
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Harmony / my melody , your melody ● Exhibition statement by D[diː]
ハーモニーとは、ご存知のとおり調和という意味だが、近頃、この言葉をとても重要に感じている。
例えば、「ハーモニーが奏でられていない」・・・料理の一皿の中であれば、素材の味がてんでバラバラではとても美味しいとは言えないしろものになるだろうし、・・・男女の間であれば、ケンカや行き違いばかりだろうし、・・・職場であれば、各々が協力しあわないので利を得るのが難しく、・・・当然、音楽であれば、不協和音の集合体となり、その耳障りの悪さに気分を害することさえあるだろう。
いつまでたっても、ユートピアは実現されない。人間が文明をもちはじめて一度たりとも持続したことがない。今後私たちが生きている限りおそらく、聖書に描いてあるような天国も、仏典にあるような極楽浄土も現出することはないのではなかろうか。なにかの犠牲の上に、断片的か局所的にのみ存在することはあったとしても。であれば、この世に正義や平和というものが存在するとして、しかしそれを成立させるための必要悪や誰かの不幸が不可欠であるならば、重要なのは一元的な善悪の価値観ではなく、それら全体が入れられた状況における調和、ハーモニーが奏でられていたか否かということになってくる。
私は夢想する。それは、未来なのか、現在に存在する廃墟化した場所なのか、過去の滅びた文明跡なのかはわからない。かつてはその存在自体がものものしく、他を威圧し圧倒していたような巨大な乗り物や人物、兵器、凶器、建造物、なんてことのない日常品まで・・・・・忘れられて、うちすてられた人工物や存在が、長い時を経て植物や寄生して絡み合い、機能したところであれば縁遠かったであろう野生動物や自然と融合し、完全に機能停止というハーモニーを奏でることを。経年劣化、風化、色あせて、ぼやけていく、個人的な思い出も歴史も何もかも・・・その先にある繁殖のハーモニー。そういうものを想ったときに、私の中で原風景のような憧憬と懐かしさが沸きおこる。
一方で、ハーモニーとは、そのときどきで移ろいやすく、また個人的な価値観の物差しでいうと千差万別に存在する側面をもつ。今展示で、D[di:]という一人の作家が提示するハーモニーの前に立ったときに、何かしらの琴線に触れ、心地よさを感じてもらえらのならば。
「どんな不況和音で狂ったメロディであったとしても、あなたが良ければ、このハーモニーはあなたのための旋律となる」
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【開催概要】
D[di:] 個展
「Harmony / my melody , your melody (ハーモニー / 私とあなたのための旋律)」
会期 :2014年8月21日(木)~9月7日(日)
オープニングレセプション : 2014年8月21日(木)19:00~22:00
会場 : hpgrp GELLERY TOKYO
〒107-0062 東京都港区南青山5-7-17 小原流会館 B1F TEL.03-3797-1507
定休日 : 月曜日・毎月最終日曜日